推薦図書

「競争しない戦略」山田英夫 著 日本経済新聞社 1,728円(税込)


「戦わずして勝つ」とは孫子の教えだ。それをビジネスで展開したら・・。本書が取り上げる3つの戦略は、中小企業が大企業との全面戦争を避け、利益率を上げる鍵となる。その一つに「ニッチ戦略」がある。注目したいのは、著者が、企業が持つ技術や販路、市場規模などから、ニッチ戦略を10種類に分けている点だ。例えば、棚卸代行業を展開するエイジス社は、アルバイトを短期間で戦力化する研修などを武器に、業界トップのシェアを誇る。固定費の高い大企業は、繁忙期と閑散期の差が大きい棚卸代行業に参入しにくいという点をうまく突いた形だ。不協和戦略と協調戦略を含め、50社以上の成功例も興味深い。「ライバルがいない市場で戦う」という経営戦略論「ブルーオーシャン戦略」にも通じる内容だ。低成長が続き、情報やモノが溢れている時代だからこそ、競争戦略が大きな差を生む。起業を目指す人などにもお勧めの一冊。

「事業創造のロジック」根来龍之著 日経BP社 1,700円+税 

 

経営戦略の本は、統計や図表が多くて専門知識なしには理解できない印象が強いかもしれない。だが、本書に出てくる数値は必要最小限で、予備知識がなくても十分理解できる。本書の特徴は、「事業は生き物であり、変化し続けるもの」という事実を正直に認め、それを前提に企業分析を試みている点にある。理論解説を連ねる経営書より、はるかに経営の実態が見えてくる。筆者も「自分の頭で考える人」が想定読者と記すように、実際に経営で役立つかどうかを追求した内容と言える。電子書籍や弁当屋、格安エアライン、コンビニ、ネットスーパーなど、多種多様な業種の企業分析では、収益率や規模などにより、「事業の持続性」に着目。真似されにくい差別化のシステムに迫った分析は、示唆に富んでいる。読み物としても十分に面白く、経営に携わる人は読んでおきたい一冊だ。

「売れる「企画」はマイクロヒット戦略で考えなさい!」廣瀬知砂子著 かんき出版 

 

食品業界でヒット商品が出る確率は、1/100とも3/1000とも言われる昨今。大企業でなくても、宣伝費をかけなくても、ヒット商品を出すことはできる?商品開発のプロが手の内を明かした、売れる企画の新メソッド。

売れる企画はマイクロヒット戦略で考えなさい!

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ブルー・オーシャン戦略 W・チャン・キム+レネ・モボルニュ 有賀裕子訳 ダイヤモンド社 1,900円+税

 

中小企業は、特に血みどろの戦いが繰り広げられるレッド・オーシャンで戦うより、自社のブルー・オーシャンを見つけ、そこで戦うことが競争優位になるのです。

エッセンシャル思考 グレッグ・マキューン著 高橋璃子訳 かんき出版 1,600円+税


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