(前回からのつづき)
では、日本人は肉料理を食べたらいけないの?いいえ、そんなことはありません。
しかし、肉ばかり食べるのは日本人の体質に向いていません。
自分たちの体の構造を理解したうえで、食物繊維が豊富な根菜類などの野菜や海藻類を肉と一緒に摂ることや、腸内に善玉菌を増やす働きをする大豆たんぱく質などを豊富に摂ること、補助的にビフィズス菌や乳酸菌を摂取することも心がけたいものです。
腸内細菌の善玉菌は、体の活動に切っても切れない大切な役割をしています。
なかには悪玉菌もありますが、善玉菌は私たちの食べたものをエサとして、実に有用な栄養素をつくっているのです。
私たちの腸内には、400種類ほどの細菌が生息しています。すべての腸内細菌を合わせるとその数は、100兆個にもなり、重さは1キログラムに達すると言われています。
皆さんが、体重計に乗ると、そのうち1キログラムは腸内細菌の重さというわけです。
食物は、消化管を通過する中で、細かく砕かれ、さらに胃液などの消化液によって、分子の塊がさらに小さい物質に分解され、消化管の壁から吸収されています。
ここで、食物の一部は、じつは腸内細菌の「エサ」となっているのです。
腸内細菌が一見私たちの栄養を横取りしているかのようです。ところが、腸内細菌は、食物を取り込んだ結果、私たちの生命活動に不可欠なビタミン、アミノ酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸などの有機酸を産生してくれます。
腸内細菌が作り出したこれらの「生理活性物質」を栄養素として吸収することで、私たちの生命活動維持に役立てているのです。(つづく)
(「高麗人参生活術 編著:薬学博士 長谷川秀夫 発行:NPO法人日本サプリメント臨床研究会 から引用)
コメントをお書きください