食文化にかなった体の構造

【食文化にかなった体の構造】

 

腸の長さのことをもう少しお話ししましょう。

 

本来、東洋人、その中でも日本人はとりわけ穀類や野菜を好んで食す民族でした。

 

タンパク質は主に魚などの魚介類から摂ったというのも大きな特徴です。

 

それに比べ、欧米の食事はいうまでもなく肉を中心とした文化です。

 

魚介類の身は、食べたあと胃や小腸を通るうちに、栄養素の約9割が吸収され、大腸にたどり着くころには、ほぼ完全に消化されています。

 

わずかに残った小さなカスも野菜の食物繊維がきれいに掃除してくれるので、長い腸でも問題なく機能していました。

 

一方、時間をかけても完全に消化されるのが難しいのが肉類

 

したがって肉食が中心の欧米人は必要に迫られ、消化しきれなかった食物が腸の中で腐敗するよりも前に排せつしてしまえる短い腸を備えたというわけです。

 

日本人も欧米人も、それぞれの体はそれぞれの食文化にかなった構造になっていたのです。

 

それにしても、平均的な体の大きさは欧米人の方が大きいのに、腸の長さは日本人の方が長いなんて、ちょっと意外ですね。

 

(「高麗人参生活術」編著:薬学博士 長谷川秀夫 発行:NPO法人日本サプリメント臨床研究会 から引用)

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